うつくしが丘の不幸の家

ひととひととの繋がりって、一本の糸じゃないのよ。
いろんな縁が交差して絡み合って、独自の模様を作りながら太くなっていくの。

(中略)

繋がりなんてのは、最初は細く頼りないものなんだ。
一本一本糸を手繰り寄せ、それを組み上げながら太く確かなものにしていく。

『うつくしが丘の不幸の家』第四章 夢喰いの家より

引用させていただいた『うつくしが丘の不幸の家』という小説は
海を見下ろす住宅地•うつくしが丘に建つ築 21 年の三階建て一軒家を舞台に
“不幸の家”と呼ばれたその家で自らのしあわせについて考えることになった五つの家族のお話が
短編で繋がっている物語

本屋大賞受賞作家•町田そのこさんによる
とっても心が温まる作品です

過去には『52ヘルツのクジラたち』や『ぎょらん』という作品も読ませていただき
感動させてもらっています

『うつくしが丘〜』を読み終えたのは少し前だったのですが
たまたまEIGHT-JAM ゴールデンSPというTV番組で
中島みゆきさんの『糸』という曲の歌詞の素敵さが語られていて
この小説を読んだときに頭に浮かんだ曲だったので思い出しました

縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かの
傷をかばうかもしれない

縦の糸はあなた 横の糸は私
逢うべき糸に 出逢えることを
人は 仕合わせと呼びます

いつ見ても最後の“仕合わせ”という表現の秀逸さに胸を打たれます

どちらも
人と人との繋がり
自分の幸せ
そういったものにあらためて優しく気付かせてくれる作品です

ぜひBGMやエンディングに併せて
ご覧いただいてみてはいかがでしょうか?

投稿者プロフィール

榊原一樹
榊原一樹くれたけ心理相談室札幌支部 心理カウンセラー
ご覧いただきありがとうございます。

ここがあなたの心の寄り処になれますように。

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