経験していないことは語るべきではない

大好きな伊坂幸太郎さんの『重力ピエロ』から。

前にもちらっとお話ししたのですが、
この小説が好き過ぎて、
本はぼろぼろだし、
好きな言葉があるページの角を折るせいで、
折り目だらけになっています。

「経験していないことは語るべきではない」という今日のタイトルも、
その中の一節で心に残った言葉です。

 

話題にするなと言うことではなく、
分かったようにあれこれ語るなということだと思うのですが、
この言葉を僕は母にぶつけたことがあります(笑)

我が母は、
一緒にテレビを観ていても、
自分が気に入らない音楽や役者さんなどを結構なレベルでぼろくそに言います。

いやいや、何様だよと思うこともしばしば。
思うだけでなく言っていますが。

 

僕もそんなに思い入れのないものに関しては、
まぁまぁ、嫌なら観なきゃいいじゃんくらいに受け流していますが、
年末年始に久々に1週間ほど一緒に過ごしていて、
大晦日のことでした。

僕が観たくて観ていた紅白歌合戦のBiSHや、
CDTVのJO1とINIに出演シーンでも、
「良さが分からない」だの「顔がいまいち」だのうるさいので、
さすがに怒りました。
「嫌ならさっさと寝ろ」と(笑)

 

自分が興味のないもの、
嫌いなものがあるのは人それぞれ。
それは当然だと思っています。

ただ、
それをわざわざ声をあげて批判するのはどうか。
淡々と母親に説教しました(笑)

音楽に関して言えば、
過去にPerfumeやBTS、King Gnuでも同じ様なことを言われたことがあったので、
魅力を語りまくって分からしめたことがあります。
今では彼らのことを、
ものすごく評価しているくらいになっています。
(これはこれで押し付けみたいでどうなんだという話はさておき)

 

人それぞれ色々な背景があってそこまで辿り着いていて、
それだけでも十分に尊敬に値することなのに、
ぱっと見の印象だけで判断してしまうのは失礼なことだと思いますし、
もったいないことだなと思ってしまいます。

突発的な感情が出そうになった時に、
ぐっと堪えてちょっと捲ってみるとか、
少し掘り下げてみるとか、
そういうことができたら、
もっと人は人に優しくなれるのでは・・・と思いながら。

 

人に優しい想いを抱くことは、
きっと自分に優しくすることでもあると思います。

悪い感情が昂ぶってしまったとき、
少しだけ抑えて冷静になれたら、
そこから角度を変えて触れ合えたら、
何か変わるかもしれない。

 

そんなことを考えていたら、
札幌は昨日の午前には地面が見えるほどに溶けていた雪が、
あざ笑うようにまた数十センチ積もっていました・・・。

自然は厳しいなぁ。

投稿者プロフィール

榊原一樹
榊原一樹くれたけ心理相談室札幌支部 心理カウンセラー
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