ずっと傍に居たのに
2007年に横浜と渋谷を結ぶ東急東横線の渋谷駅ホームがまだ地上2階にあった頃、
そのホームの端にあったドトールコーヒーショップ東横渋谷店でアルバイトを始めたのが、
僕とコーヒーの出会いでした。
当時はまだブラックでコーヒーを飲めないどころか、
主にミルクティーかココアしか飲めないような人間だったのですが、
カフェで働きたいという気持ちと日本一レベルで忙しいお店で働きたいという動機で応募したことを記憶しています。
初めはコーヒーだけで飲んでおいしいと思える感覚はなく、
たっぷりミルクを入れてカフェラテにしたり、
やはりココアを混ぜてカフェモカにしたりと遠ざけていました。
ある時から、
思えばちょうどビールが美味しいと思えるようになってからのような気もしますが、
ブラックでコーヒーを飲めるようになり、
そこからはコーヒーの奥深さに魅了され、
いつのまにかデミタスカップでエスプレッソをブラックで飲めるようにもなっていました。
あれから16年。
いつも僕とコーヒーは傍に居ますが、
ずっと傍に居たのに“アイスコーヒー”はほとんど飲んだことがありませんでした。
苦みという意味で言えば、
アイスコーヒーは深煎りの豆で抽出しているところが多いので、満足できるはずなのですが、
どうも冷たいドリンクがあまり好きではなかったため、
それこそビールもぬるめで泡たっぷりで良い、
お冷はできれば常温で・・・という人間でして、
アイスコーヒーの美味しさになかなか気付けていなかったのです。
それが今年。
単純に急いで体を冷やしたいという気持ちだけで、
「しょうがない。アイスにするか」なんて大変失礼な再会を果たしたら、
「あれ?めっちゃ美味しいじゃん」と思わず独り言が出たくらいに美味しく感じたのです。
先日のブログ『牛肉が好きになるなんて思わなかった』の中でも書きましたが、
長年、食わず嫌いで避けていたものを久し振りに口にしてみたら、
その美味しさに気付き、そのまま大好きになるということがよくありまして、
アイスコーヒー様は見事にその仲間入りを果たしました。
歳を重ねると味覚が変わると言いますが、
それを知って楽しむというのも人生を謳歌する大切な秘訣なのかも知れません。
皆さんはコーヒーはホットがお好きですか?アイスがお好きですか?
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