「お子さん(学生さん)の持つ悩み」(くれたけ#211)
くれたけ心理相談室の月々のお題にカウンセラーがお答えするシリーズ。
9月の2つ目にお答えします。
「カウンセリングでもよくいただく相談に関して、何か語ってください」という副題がありましたので、スポーツクラブで幼児から中学生までの体育スクールやスキーの指導をさせていただいたり、カウンセリングの中でいただいたご相談や、かつて自分も子供だったという経験からお話できる事をいくつかさせていただきたいと思います。
①同じ視点に立つこと
視線の高さを合わせてお話をするといったことは、当たり前とも言われることかも知れません。僕は181cmの身長があるので、小さい子供は平気で股の下をくぐっていきますから、しゃがんだり足を大きく開いたりしてお話をします。
それに加えて年齢や生育歴、性別などによっての距離感、話し方のトーンや熱量であったり、時代や年齢的な感覚というところも出来る限り相手に合わせることを心掛けています。
一応、見た目は大人であり、“コーチ”や“カウンセラーの先生”と呼ばれたりもしますが、あくまでこちらも“さかきばらくん”であったり“かずきくん”という元は子供の、同じ人間であるということを理解してもらえるように、それでいながら白々しくない程度に波長を合わせていくということがとても大切だと思っています。
②否定語、命令語は極力使わない
どうしても指導や注意となると厳しい言葉を使ってしまいがちですが、その子自身の身の危険に関わる行為や誰かや何かを故意に傷つける行為以外に関しては、極力、否定語や命令語は使いませんし、不必要な大声は出しません。
「○○しようか」「〇〇できるかな?」「〇〇してくれたらうれしい」
少し言霊的な、アファメーション的な力も借りながら、肯定的なイメージをその子の中にも作ってもらうような声掛けをします。
そして、ただ声を掛けるだけではなく、どうしてそういった行動に至ったのかというところはしっかりと考え、その後、そうならないようにこちらが寄り添い、対処していきます。
③i(アイ)メッセージ
上記でも少し触れていますが、何か注意をしたいとき、何か行動を促したいときに、「○○してくれたら助かるな」とか「〇〇してくれたらとってもうれしいな」などといった表現で、お願いをしたり必要としていることを伝えることや、逆に「〇〇されると悲しいな」とか「○○されると残念だな」とこちらが感じる悲しさや辛さを伝えることを大切だと思っています。
スポーツクラブでのスキー学習でバスでケンカをしてしまった小学生の子供がいた時に、理由を聞いて双方の気持ちを確認したうえで、「これからみんなでスキーを頑張りに行くから、楽しい雰囲気で行きたいな。コーチはふたりが仲直りしてくれたらうれしいな」と伝えたところ、ちゃんとお互いに「ごめんなさい」と握手をして、その後は穏やかに過ごしてくれたということがありました。4日間のスケジュールが終わった最後の解散のときに「来年も来てね」と言うと、「コーチが行くなら行く」と恥ずかしげに言ってくれた姿に、思わず込み上げるものがあったことは未だに忘れません。
できれば具体的にしてほしいことをしてほしくないことなどを伝えられたら、より良いのかなと思います。
④ボディコミュニケーション
ここまでの言葉での表現だけでなく、ボディコミュニケーションもとても大切な行動の1つだと思っています。
人間も動物である以上、人のよって差はあれども愛する者から得られるスキンシップは必要です。
- タッチ
- 頭を撫でる
- 寄り添う
- 手を握る
- 抱き締める・・・etc.
それぞれ求める具合も違ったり、与えられる時間や心の余裕がなかったりすることもあるかと思います。日々のちょっとした時間の中で、少しでも良いので、ゼロやマイナスにしないことが第一歩だと考えます。
以上、お答えしました。
人生そのものと同じように、子育てや教育にも正解ってないと思っています。
分からないことも分かったような気になってしまうこともある。
だからこそ、たくさん観て、たくさん聴いて、たくさん触れて、たくさん感じる。
それが大切なのではないかと思います。
いつも、そして、きっとこれからも何度もお伝えするかと思いますが、
今、気付いたのならそれが始まりで、そこから築き上げていけば良い。
人と人との関係って、
それがたとえ親子であれ、1日2日でどうにかなるものとは限りません。
どうか焦らず、あなたの『大切』を大切に。
投稿者プロフィール
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ご覧いただきありがとうございます。
ここがあなたの心の寄り処になれますように。
榊原一樹のプロフィールはこちらからご覧ください。
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