それぞれの形

母は、
何もしてあげられなかったと悔いていたけれど、

子供は、
十分すぎるくらいしてもらったと思っていて、

大人になって、
話したようなこともなかったことを、
お互いに確認してみたら、
思い違いみたいなものってたくさんあった。

 

貧しい家庭で育った母は、
大学までは何とか行かせてやりたいとずっと考えていて、

両親の不仲が嫌だった子供は、
早く大学を辞めて一人ですべてまかなえるようになれば、
心置きなく離婚してもらえると考えていた。

 

中学3年の時にくも膜下出血で倒れた母の見舞いに、
子供は毎日行くと言って、
本当に毎日行っていたらしく、
それが嬉しかったと母は言ったけれど、

当の子供は、
それを言ったことすら覚えていなかった。

 

共働きで寂しい思いをさせたと母は言うけれど、

子供はひとりでいる時間もわりと好きだったし、
暗くなるまで外で遊ぶ友達もいたから、
それが寂しいと思ったことはそんなになかった。

 

 

家族でも、
パートナーでも、
友達でも、
仕事でも、

それぞれの形があって、
それぞれの想いがある。

 

家族だからこうしなきゃって、
パートナーだからこうあるべきって、
友達とはこういうものって、
仕事なんだからって、

全部が全部、
誰かが決めたステレオタイプに乗っかる必要ってまったくなくて、

100人いれば100個の想いがあるから、
あなたはあなたのまま、

その目の前の大切な1人と、

ときどき(できればたくさん)、
話し合って、
確認し合うことの方が、

ずっとずっと大事。

 

 

投稿者プロフィール

榊原一樹
榊原一樹くれたけ心理相談室札幌支部 心理カウンセラー
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