別にお腹痛くなんかない

お腹が痛いって言って
保健室に行って休んだ

どこが痛い?って聞かれて
適当に答える

だって別にお腹痛くなんかないんだもん

頭が痛いって言って
布団から出ないで学校をお休みしようとする

熱はないのは分かってるから
必死に体温計を温めてみる

だって別に頭痛くなんかないんだもん

なんか具合が悪いって言って
プールの授業を見学にしてもらう

どこがどんな感じって聞かれても
わかんないって答える

だって別に具合悪くなんかないんだもん

僕自身は
こんな子供でした

今思えば
小学校の時は目の前に母親の職場があったから良いものの
いや、それも理解した上でサボっていたところもあったように思います

ちょっと寂しかった
集団行動がもともとあんまり得意じゃない
ちょっと学校で嫌なことがあった
じっと座っているのが苦手
色々な理由があったと思います

けれども勉強は好きだったし
サッカーは好きだったし
大人と話すのも好きだった

聴いてくれる誰かがいただろうか?と思い浮かべつつ
他人に迷惑かけちゃいけないって思いから誰かに相談はできなかったかも知れない

自分が子供と関わる仕事をする様になって
より色々な感情に気付きます

わかる、僕もそうだったって思うこと
あ、そういう感情もあるのかって思うこと

とにかくたくさん話を聴くようにしています

上手く言葉にならなくても
それぞれが感じたことをありのままに伝えてもらう

その表情、口調、トーン、スピード、言い淀み
色んなモノに触れてみる

ふとしたところに出てきた小さな本音を見逃さず
できれば一緒に触れてみるようにする

それに対して
どうしたら良いかな?
何ができるかな?って
一緒に考えてみる

話し終わった後に「頭痛いの治った?」って尋ねたら
「なんだっけ、それ?」ってくらいに元気に「治った!」って笑顔を見たら
「話してくれてありがとう」って思いながら手を振る

それぞれが持つ特性も考え方も生育環境も同じではなく
より繊細だったりもする

長い時間をかけてでも
ひとつひとつ丁寧に触れていくことを忘れずに
その輝かしい表情を取り戻すお手伝いがこれからも出来たらなと思います。

投稿者プロフィール

榊原一樹
榊原一樹くれたけ心理相談室札幌支部 心理カウンセラー
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